従業員の食事代の税務上の注意点<BLOG#6>

野菜

 

こんにちは。東京都立川市の医科・歯科・オーナー企業に強い税理士 小糸 輝(こいとあきら)です。

今回のテーマは、「従業員の食事代」について。

飲食店や入院施設がある医療機関では、従業員のために、食事(まかない)を出すところは結構あると思います。

このまかない、何も対策をしないと、税務調査で指摘を受け、従業員への実質的な給与と認定され追徴税額がとられてしまいます。

なぜかというと、食事代は本来は従業員が自分で負担するものです。この食事代を雇用主が負担しているので、「お金ではあげていないけど、モノであげているから、実質的な給与だから所得税とりますね」(これを「現物給与」と言います)というのが理屈です。

では、このようにならないためにはどうしたら良いのでしょうか?

所得税では、従業員に支給する食事代には以下のルールを設けています。

役員や使用人に支給する食事は、次の二つの要件をどちらも満たしていれば、給与として課税されません。

(1) 役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること。

(2) 次の金額が1か月当たり3,500円(税抜き)以下であること

(食事の価額) – (役員や使用人が負担している金額)

この要件を満たしていなければ、食事の価額から役員や使用人の負担している金額を差し引いた金額が給与として課税されます。

出典:国税庁ホームページ

わかりやすくいうと・・・

わかりやすくいうと・・・

1.まかないにかかるお金の半分以上は従業員が出す

2.雇用主が負担して良いのは月3500円以内

の両方を満たさないといけません。

給与計算の方法

具体的に給与計算ではどのように計算するのか。

食事代を給与で計算する方法はいくつかありますが、当事務所では、総額表示方式(と勝手に呼んでいます)を採用しています。

【支給欄】食事手当(非課税)

食事代控除の半分以下かつ最大3500円(雇用主の負担)

【控除欄】食事代控除

食事代の全額

考え方としては、まず、【控除欄】で食事代の全額を従業員に負担(控除)させ、【支給欄】で手当として、雇用主負担分の金額を支給します。こうすることで、半分以上を預かっているか、3500円を超えていないかということが一目瞭然でわかりますので、この方法を採用しています。

ちなみに食事代は、外部の業者に委託している場合は、その料金、自前で作っている場合は原材料の額を元に計算します。

いかがでしたでしょうか。

まかないは従業員にとっては、とても大切なものです。この制度を安全に長く続けるためにも、上記のルールを守って運用することが大切なことだと思います。

【編集後記】

医療法人の設立手続きで都庁に行ってきました。

残念ながら曇ってましたが28階からの展望は圧巻でした。

都庁からの眺め

 

 

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